とんかつ 武信

店主の武田悦夫氏は、青山の老舗とんかつ店で修業の後、1974年にこの店をオープンした。以来40年以上、地域に根ざしたとんかつ店として地元のゲストに支持され続けている。店主の立つ調理場からはガラス越しに店舗内が見渡せる。他のスタッフたちと共に、今なお店を取り仕切っている姿は職人と呼ぶにふさわしい風格が漂う。

低温の油で約10分間、じっくりと揚げながらも、豚肉の中心には、ほのかなピンク色を僅かに残す。余熱を利用して、提供されたテーブルの上で最後の熱が行き渡るように仕上げてあるのだ。サックリとした歯触りで、豚肉と揚げ油の美味しさを引き出している粗めのパン粉も、この店のためだけに作られたオリジナルのパン粉だ。